Que sera,sera

お店をオープンしてから初のお盆期間。
周りの会社もお休みで遠くにかげろうがみえるほどひっそりとしている押小路通りなのですが。
お盆がどんなもんなのか、とりあえずリサーチの為お店は営業中です。

昨日13日は夜営業お休みさせてもらってたんですけど行こうと思ったor行ってしまったメール等々いただき申し訳ない…
個展期間中の約3週間は真面目にビッチリ、毎日開けてたんですよ…
信じて…

しー公のイッテQ鑑賞の邪魔をする三四郎
下は短パンです。ちゃんと履いてます。
さて。
お店ももうそろそろ一周年。無事に過ごせてよかったなあ。
それもこれも、皆様のおかげ!

当店は特にご近所さんのご利用が多いので、いつもの顔がお店にいらっしゃると安心。
いわゆる常連さんという存在なのですが、常連さんも一年間で色々とカテゴリ分けされております。

毎日来てくれる方、忘れた頃にひょっこり現れる方、友達になっちゃった方、親しいわけでもなく、決して言葉を交わす事はないけれどなんだか連帯感アリな方。などなど色々。
そんな中
出会いがあれば別れもあります。

今回は文章多いです。先にゆっときます。


DOM。いつも気の利いたTシャツを着てくるどん…
ゴーゴーカレーTとか変なロボットTとか。

ご近所に住んでいて、初めて来てくれた時に当店の花様年華のポスターを観て、
「ウォンカーウァイ好きですか?chungkingExpressは好き?」
ときかれ、ちょんきん…何?とかなってたのですが(後々それが「恋する惑星」であることが判明)。

その後はDOMのゲーム好き・映画好きが発覚、音楽の趣味もピッタリ!な事がわかり、仲良くなったのです。
なんやゆうたらすぐ「Cooool」と褒めて(?)くれるので調子に乗る私たち。
そして話したい事は山ほどあれど英語力ゼロの私たちに、頑張って日本語でおしゃべりしてくれる優しいDOMなのでした。

しかし、オープン間もなくから今まで、ちょくちょく遊びにきてくつろいでくれてたDOMが、アメリカに帰る事に。
もちろんまた日本に戻ってくるかもしれないし、わからないんですが。
お年頃なのもあり、将来の事をゆっくり考える時間が日本では持てないので、一旦家族のもとに戻る事にしたんだそうです。

帰っちゃうのかーー残念!と最初は明るくゆっていた私たち。
しかしあっという間にお別れの時が。

DOMの読みかけのニックホーンビイ*1の小説。
そしてお手紙付き写真はプレゼントにいただきました。

ニックホーンビイの小説はDOMがいつも小脇に抱えてきてたんでひそかに「あれいつ読み終わるんヤ…」とか思っていたんですが(ていうてそれはここ数か月の事と思いますが)彼曰く「これはいつもここに持ってきてた本、まだ途中までしか読んでないから、また戻ってきて続きを読みます。だから預かっておいてください。」

うおお…
これを聞いて泣いてしまいました。
今もこれ書きながら泣いてます。年々涙もろくなる事よ…
日本国内で離ればなれになるのは、いつでも会えるかなと思ったりしますが、やっぱり国をまたぐとなると、寂しさもひとしお…

DOMのお仕事はなかなかお堅い職場だったので、色々と悩みもあった様子。
そんな話をしながら、
悩んでてもしょうがない!なるようになるって日本語でいうんやデー
なんて、
まあ、海外で暮らす苦労を味わった事のない私たちに言えるのはそんくらいだったのですが。

なるようになるはヘタするとネガティブな意味にもとれるかな?と思ったけど、結構気に入ってくれてたみたいです。

田辺聖子さんのエッセイに「ま、こんなトコやな」という名言が出てくるのですが。それも伝えたかったなー。似てる言葉ですけどね。なるようになるはどーんと構えて後の結果待ちって感じ。

ま、こんなトコやな。

あれもやってみてー、これもやってみてー、四苦八苦して、はあ、ま、こんなトコやな。
というような。
後は棚上げ、とりあえず良くやった。おつかれさんでしたーー、ってな感じですね。ちょっと軽快さが加わるような。
これも伝えたかったんですが。このニュアンスを表現できる英語力が私にはなかった…

きっと日本での暮らしは色々と大変な事もあったろうなあ。
アメリカに帰ってからも、日本の事を好きでいてくれるかしら…

お店からえがおで去っていったものの、涙をぬぐう様子のDOMの後姿をみてまた会えますように!と心から思いました。
なんでか好きになっちゃう人って男女問わずいるもんですが、私たちにとってDOMはまさにそれ!

DOMの新しい生活に沢山の幸せと良い出会いがありますよう。
いつ日本に戻ってきても会えるように、私たちも頑張らないとー!

ちなみに私たちはこの一年間おもっきり「どん」と呼んでいましたが、最後にもらったお手紙に日本語でしっかりと「ドム」と書かれていてなんか小さく衝撃を受けたのであった。

*1:アバウトアボーイ・ハイフィデリティの作家